情報量と高次脳。 [高次脳_ふと感じたこと]
11月ってこんなに寒かったっけ?
受傷後、とても寒がりになりました。
当然ながら、体もスリムになり肉体的に寒さに弱くなりました。
あわせて、気温の変化に過敏になるという精神的なものもあるし、脳障害なので物理的に気温変動への対応みたいなものが弱くなった感じもあります。
とにかく、ちょっと冷えただけで過剰に「寒い情報」が脳の中を駆け巡って、末梢の身体をブルブル震わせます。
情報の処理って難しいね。
先日、本が読めない(全く読めないわけではないですが、登場人物が多かったり話が複雑な本は記憶障害で苦手)のに、本屋さんに立ち寄ったら、知り合いが書いた本が置いてありました。
どうやら相当売れてるらしい。
言語リハ(ST)を受けている僕としては、本のタイトル自体も興味ありありなのですが、さらに気になるグラフを発見。
世の中の情報量は10年間で約530倍に。
総務省「平成18年度情報流通コンセンサス報告書」のグラフ。
詳細を見たい方は総務省のHPへぜひ。
一言で言うと、インターネット、IT、電子化によって、情報量が10年間で530倍に増えているということ。
10年間で530倍!?
ちなみに、厚労省が「高次脳機能障害」を本格的に研究対象として取り組み始めたのは、2001年。
一方で、このグラフによると世の中の情報量が上がり始めたのが平成13年あたり。つまり2001年。
高度医療・救急医療の進化、インフラの整備、助命率の向上など、高次脳機能障害者が物理的に増えているのは間違いないのですが、一方でこの「情報流通量の多さという社会環境」が、高次脳機能障害をより顕在化させていると感じます。
よくメタボ系の病気で「現代病」なんて言いますが、高次脳機能障害は「現代障害」と言ってもいいのかもしれませんね。
いずれにせよ様々な要素が重なって、現代社会における高次脳機能障害者の社会復帰が問題化・複雑化してきているんでしょう。
事実、受傷レベルが私と同程度の知人の多くが、就労上極めて苦戦しています。
あえて“極めて”とつけます。
情報社会が、障害を産むとは何たることや。
一方で、今までは声を出せなかった当事者が、世の中に情報発信できるようになったのも情報社会の恩恵。
高次に限らず、色々な病気や障害の方々の闘病ブログがたくさん世の中にはあります。
それだけではなく、障害の説明や講演会などの情報も知ることも。
情報社会が、障害との共生に役立っているのも事実。
情報って、我々にとっては両刃の剣みたいですね。
うまく情報処理ができるようになることも、うまく高次脳機能障害と付き合う一つの手段だと思っています。
事実、情報処理ツールには自身、相当こだわってます。
メモの取り方、見出しの付け方、マーカーペンの引き方、ノート使い分けなどのアナログ対応から、スケジュールの組み方、余分な情報を入れない技・アピール方法、収納方法(evernoteが結構活躍)、スマート端末(iPhone)など高度な技まで。
ここまでやっても、就業上は追いつけないのが現状。
できれば情報量が多くない環境にいたいのですが、社会と共生するには、社会の流れに合わせる必要もあり、情報処理能力がより一層求められるのも事実です。
情報量と高次脳。
非常に相性が悪い組み合わせなのですが、自分の中で、どこかで折り合いを見つけなくてはいけなく、今でもトライアンドエラーで模索してます。
模索しつつやっと5年。
まだまだ発展中です。