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42名の夢 ~未来の医療の担い手のコミットメント~ [大学講義]

10月吉日、某医療系大学リハ科作業療法専攻の3年生42名に、高次脳機能障害の就労についてリアル授業をしてきました。
今回で4回目。
今年も会社の承諾を得て公務としての登壇。以前の厚労省認知症バリアフリー委員の時から、社会に貢献する活動は勤務扱いとして認めてくれるようになり、自信を持って挑む事ができました。講義は、90分×2コマの計180分。

受障の経緯、社会復帰と障害の顕在化、拒絶と自己否定、受容と自己肯定(バリアフリー化)、未来に向けての5章立て。
見えてくるバリアに苦戦したこと、矯正から共生にシフトしたこと、バリアフリーを会社と取り組んだこと、ピアサポートが復帰の支えとなったこと、受障後のいきがいを持つ事の大切さ、をお伝えしました。
加えて今年の授業は、昨年からさらにブラッシュアップ
教科書では絶対に習わない「当事者の心理変容」についての説明にウェイトを置きました。
冒頭、先週の若年性認知症の授業で登壇されたHさんから、例によって素敵なメッセージをいただき、先生が学生の皆さんに説明。
すると学生のびっくり度が一気に向上。ナイスパスHさん、ありがとうございます。

その勢いで授業を進めることができました。
そして今年は、なんと妻も出席。ときおり妻にも話を振りながら、夫婦でリアルな高次脳機能障害の社会共生についての講義ができました。

講義の最後には、私がリハから教えてもらった言葉を送ってクロージング。リハの卵の皆さんに引き継ぐので、将来向き合う患者さんに「13年かけて社会共生に結びつけた当事者からのメッセージとして伝えてほしいと」伝言を依頼して終了。
その後、Q&Aセッション、認知機能体験ワークセッション、最後に「こんな作業療法士を目指したい!」というビジョンセッションを実施。
全員ボードに、「今日の話を聴いてどんなOTになりたいか?」というのを書いてもらい発表頂きました。

そして、ここで嬉しい事件。
なんと、感極まって泣いてしまった生徒が2-3人発生してしまいました。
特に過去に大病・手術の経験があるというとある学生は、「できることができない屈辱と、できることを再認識して自分を創る姿に大変共感しました」とのこと。
すかさずおじさん、その言葉にマスクを3cmほど上げて対応。。。
コロナ禍でマスクが鬱陶しくてたまらなかったのですが、今日ほど役立った日はありません。
その学生には「その経験こそが、将来の患者さんを支援するチカラになる」とエールを送りました。
もちろん感情移入しすぎてはいけないが、でも根幹にその気持ちが無くては患者を救うことなどできないとも感じます。

使用したスライドは85枚。あっというまの3時間でした。
授業を終わって担当先生からは、昨年からさらに大幅進化したとのお褒めの言葉をいただきました。

そして学生の皆さん、臨床に出て今日の授業が少しでも役立ってくれれば幸いです。




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