未来の医療の担い手のコミットメント2023 [大学講義]
41名の夢 ~未来の医療の担い手のコミットメント2022~ [大学講義]
使用したスライドは、昨年よりもまとめて73枚に凝縮。今年も無事に学生に授業を終えることができました。
42名の夢 ~未来の医療の担い手のコミットメント~ [大学講義]
今回で4回目。
今年も会社の承諾を得て公務としての登壇。以前の厚労省認知症バリアフリー委員の時から、社会に貢献する活動は勤務扱いとして認めてくれるようになり、自信を持って挑む事ができました。講義は、90分×2コマの計180分。
受障の経緯、社会復帰と障害の顕在化、拒絶と自己否定、受容と自己肯定(バリアフリー化)、未来に向けての5章立て。
見えてくるバリアに苦戦したこと、矯正から共生にシフトしたこと、バリアフリーを会社と取り組んだこと、ピアサポートが復帰の支えとなったこと、受障後のいきがいを持つ事の大切さ、をお伝えしました。
加えて今年の授業は、昨年からさらにブラッシュアップ
教科書では絶対に習わない「当事者の心理変容」についての説明にウェイトを置きました。
冒頭、先週の若年性認知症の授業で登壇されたHさんから、例によって素敵なメッセージをいただき、先生が学生の皆さんに説明。
すると学生のびっくり度が一気に向上。ナイスパスHさん、ありがとうございます。
その勢いで授業を進めることができました。
そして今年は、なんと妻も出席。ときおり妻にも話を振りながら、夫婦でリアルな高次脳機能障害の社会共生についての講義ができました。
講義の最後には、私がリハから教えてもらった言葉を送ってクロージング。リハの卵の皆さんに引き継ぐので、将来向き合う患者さんに「13年かけて社会共生に結びつけた当事者からのメッセージとして伝えてほしいと」伝言を依頼して終了。
その後、Q&Aセッション、認知機能体験ワークセッション、最後に「こんな作業療法士を目指したい!」というビジョンセッションを実施。
全員ボードに、「今日の話を聴いてどんなOTになりたいか?」というのを書いてもらい発表頂きました。
そして、ここで嬉しい事件。
なんと、感極まって泣いてしまった生徒が2-3人発生してしまいました。
特に過去に大病・手術の経験があるというとある学生は、「できることができない屈辱と、できることを再認識して自分を創る姿に大変共感しました」とのこと。
すかさずおじさん、その言葉にマスクを3cmほど上げて対応。。。
コロナ禍でマスクが鬱陶しくてたまらなかったのですが、今日ほど役立った日はありません。
その学生には「その経験こそが、将来の患者さんを支援するチカラになる」とエールを送りました。
もちろん感情移入しすぎてはいけないが、でも根幹にその気持ちが無くては患者を救うことなどできないとも感じます。
使用したスライドは85枚。あっというまの3時間でした。
授業を終わって担当先生からは、昨年からさらに大幅進化したとのお褒めの言葉をいただきました。
そして学生の皆さん、臨床に出て今日の授業が少しでも役立ってくれれば幸いです。
近況報告 [高次脳_講演・社会活動]
毎月更新を・・・と思っているのですが、相変わらずのさぼり癖で。。。
その間、コロナ禍で色々と世の中が変わってしまいました。
自分自身にも様々なことがあったので、振り返ってみたいと思います。
◆ピアサポーターの資格を取りました。
ちょっと前の話ですが、令和元年度厚労省助成研究障害者ピアサポーター研修を修了しました。
ピアサポートとは、同じ課題を持った当事者同士の支えあいのことです。
困難や課題にどう立ち向かうか、知恵や知識を共有したり、障害との歩み方を確認したり、相互鼓舞(エンパワーメント)したり、他人の目標(ロールモデル)になったり、障害と前向きに歩んでいく事を促す力を持ってます。
◆ピアサポーター専門員、講師・ファシリテーター養成員の研修も修了しました。
専門研修は、基礎研修よりもワンランク上のピアサポーター専門員の研修。
講師・ファシリテーター養成研修は、ピアサポーター専門員を養成する講師の研修。
かなりハードでしたが、無事に全過程を修了しました。
事前説明会も入れると、計8.5日の研修。
本研修は精神障害者(精神疾患)向けの研修で、高次向けではないのですが、そもそも高次の研修自体が無いので滑り込ませていただきました。
高次で養成員まで受講した方は、私と知人のIさんの2名しかいないと思います(すでにいらっしゃったらごめんなさい)。
これを機に、私だからこそできることを探していきたいと思います。
◆厚労省令和元年度「認知症バリアフリー社会の実現等に関する調査研究事業」の委員を務めさせていただきました。
「認知症バリアフリー社会の実現等に関する調査研究事業」とは、令和元年6月に定められた「認知症施策推進大綱」に基づいいて実施された厚労省の認知症施策事業です。
奈良県の若年性認知症の方と、高次脳機能障害の私が当事者委員として任命されました。
認知症と高次脳機能障害の症状は似ていて、個人的には、認知症の中核症状が、高次脳機能障害そのものと認識してます。脳の病気により、緩やかに進行またはその状況を維持するのが認知症の特性だとすれば、ある日突然の病気や事故で脳を損傷し、重度や中等度の認知症状況に陥いり、混乱のなかから時間をかけて一定のところまで回復し後遺障害として残るのが、高次脳機能障害の特性と捉えることができます。
その間、急性・回復・維持期で経験した多くのバリアは、認知症患者が経験することを逆行して経験してきたことであり、この経験をこれからの社会づくりにつなげるという試みです。
私だからこそできることだと思い、お話を受けさせていただきました。
我々の生きやすい社会は、認知症患者の方も生きやすい社会であって、高齢者や万人に生きやすい社会だと思います。
◆最新医療経営PHASE3(フェイズ・スリー)に執筆しました。
2020年4月号Vol.428 46〜47頁「院長塾_患者学」というコラムです。
毎月、様々な患者さんが、リレー形式で医療者に向けてメッセージを発するのがこのコラムの特徴で、今回、急性心筋梗塞⇒蘇生後脳症⇒高次脳機能障害の私が、執筆させていただきました。
タイトルは「蘇生から共生へ」。
「脳卒中リハ180日制限を超えて、言語リハ再開を指示した循内主治医の判断に救われたこと」「リハから勧められた講演やピアサポート活動が、復帰への決意を芽生えさせてくれたこと」「保険点数ありきの医療から、制度を活用していかに個々の患者に対応するかが求められる時代になったこと」「受けた医療がピアサポートやバリアフリー社会創りに活かすという、新たな生きがいへと繋いでくれたこと」を書かせていただきました。機会があればご覧ください。
◆日経新聞に記事が載りました。
2021年5月31日の日経新聞朝刊全国版に、私のインタビュー記事が掲載されました。
Answersというコラムですが、人生半ばで苦境に陥った人がどう再起するか?というのを、医療に限らず紹介している日経新聞の人気コラムです。
タイトルは「37歳で脳障害 支援で再起」
サブタイトルは「もがいた経験、仲間の力に」
高次脳機能障害を負ってどうやって再起をかけていくか?というお話を、3時間のインタビューを受けてお話しさせていただきました。
軽度当事者のインタビュー記事になりますが、今回の記事で、世の中の企業の方々や働く世代の方々に「高次脳機能障害」のことを知って頂く機会になれば幸いです。
加えて、配慮があれば就労定着につながることも、併せて日経読者の皆様(企業の経営者やビジネスマンの方々)に理解が進めばと思ってます。
◆オンラインピアサポートをはじめました。
仕事でZOOMを使う機会が増え、操作にも慣れてきたこともあり、オンラインピアサポートをはじめてみました。
まだ身内レベルですが、少しずつ広げていけたらいいなと思ってます。
◆就労継続丸6年になります。
復職⇒転職⇒転職とうまくいかず、一つの会社で長く勤めることができなかったのですが、2015年7月より今の会社に勤めはじめ丸6年が経とうとしてます。
手帳を取得し、一般企業での障がい者雇用で就職。
途中息切れしてしまい就労訓練に通ったりジョブコーチが職場に入ったりしましたが、何とか6年が経とうとしてます。
加えて、コロナ前からテレワークに対応いただいたおかげで、コロナ禍でもスムーズにフルタイムテレワークに移行でき、就労上のバリアが大きく解消されました。
「定着」がとても難しい障害ですが、大きな自信となりつつあります。
書ききれないくらい多々あるのですが、表立ったものを書き出すとこんな感じです。
一方で、自身の心理面でも大きな変化がありました。
ここ1‐2年、障害とさらに共存できるようになったと感じます。
特に、「一人で解決しようとしないこと」「周囲に頼ること」ができるようになったことが、自分の中でも大きいと感じてます。
「自分はここは苦手だけど、できるところは私がやります・任せてほしい」と言える環境を、家庭内でも就労先でも意識して作ってきたことが大きかったと感じます。
自然に周囲にも「当事者のできることを奪わない」という意識が産まれ、両者がより共存しやすい環境につながることも経験しました。
あくまでも私個人の経験ですが、参考になれば幸いです。
今年も残り半年ですが、色々と活動を広げていく予定です。
月一でブログ書くように頑張ります!!
49名の夢 ~未来の医療の担い手のコミットメント~ [大学講義]
平成最後の高次ライフ [高次脳_講演・社会活動]
色々とバタバタしていて、やっと落ち着き始めたところです。
ここ十数年で、年末年始に帰省しなかったのは今年が初めてです。
久しぶりに、自宅で紅白を見て、近所のお寺に家族で除夜の鐘を突きに行くこともできました。たまにはこういう正月もいいですね。
1月に「八王子家族会はっちゃん」で、講演をしてきました。
今回は「就労」がテーマだったので、自分の話を屈託なくお話しさせていただきました。
はじめて「高次はキスで対応を」という内容を入れ込みました。
気になる方はどうぞ。
かたや、新しくこれから復職を目指す方は大きな不安を語っており、すこし急ぎ足になっている感じがしました。
両方で苦戦を経験してきた自分だからこそ、その部分は強く感じます。
先日、リハビリでご一緒させていただいた知人が、49歳で新たな旅路につかれました。
同じ時期(2008年)に受傷し、年も2つしか変わらず、バリバリ仕事人で、子供もいらっしゃって・・・
どうぞ見守っていてくださいね。
僕のほうは、実は半年前に「生涯禁酒」を主治医に宣告されました。。。
原疾患(心臓)を気遣っての、はやめの対応です。
それ以降、一滴のお酒も飲んでいません。
今では、ノンアルコールビールでたしなんでいますが、いまいちまだ慣れません。
でも体がデトックスされたみたいで、ちょっといい感じもしています。
支援者の声に耳を傾けよう。 [高次脳_役立つ情報]
支援者負担の実態が、調査結果としてまとめられています。
東京高次脳機能障害協議会(TKK)のホームページより、ダウンロードできるのでぜひご覧ください。
日本高次脳機能障害友の会(旧:日本脳外傷友の会)様と同会に属する正・準会員団体、東京高次脳機能障害協議会(TKK)、東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科通院患者のご家族様
高次脳機能障害者を介護するご家族
性別:男性803 例 女性202 例
現在の年齢:45.7±15.4 (4-89)歳
発症時年齢:33.3±18.0 (0-85)歳
発症から現在までの経過年数:12.4±9.1 (0-60)年
原因疾患:
・脳血管障害:295 例(脳梗塞:89 例 脳出血:77 例 くも膜下出血:89 例 脳動静脈奇形:31 例 もやもや病:8 例)
・脳外傷528 例
・低酸素脳症:72 例
・脳腫瘍:46 例
・脳症、脳炎:52 例
第一部:成人高次脳機能障害者の家族への調査研究
第二部:小児期発症の高次脳機能障害者の家族への調査研究
第三部:脳外傷後10 年以上経過した高次脳機能障害者の家族への調査研究
第四部:脳卒中に起因する高次脳機能障害者の家族への調査研究
第五部:自由意見(自由意見の内容が重複するものは割愛し、個人情報に配慮し、抜粋して掲載)
私自身がもともとマーケティング調査等も職務としていたため、知っているのですが、通常アンケートの最後にある自由回答はあまり書き込まれませんが、逆に言うとここに書き込む方の言葉には、本音や心理や強い要望が書き込まれています。
心の読めるプランナーやクリエイターほど、ここをしっかり見て対象者の心を読む方が多く、私もここはないがしろにしたくなく「テキストマイニング」という手法を使って「自由意見」を可視化してみました。
1コメントで複数回キーワードが出ても、1コメントとしてカウントしてます。
するとそこからは、
・高次脳機能障害の理解の低さ
・支援体制の脆弱さ
・支援の強化、法制化の要望
支援者の支援があってリカバリーできる障害です。
特に、重症度の高い方の支援者負担は甚大なるものがありますし、軽度の方でも社会から理解・配慮が得られなく支援者も困惑・疲弊する事実が伝わってきます。
医療・福祉の体制作りから、社会的な解決力を活用するステージへ。 [高次脳_講演・社会活動]
先日10月21日(日)に、平成30年東京都港区高次脳機能障害理解促進事業「高次脳機能障害講演会」で、当事者として60分間講演+国立リハビリテーションセンター今橋先生と対談をしてきました。
今回は講演内容を結構変更して、10年間の想いをこの60分にかけてみました。
内容のポイントは、
■苦労したこと:3つの壁(いきづらさ)の存在脳損傷=「見えづらい・受け入れづらい・対処しづらい」という、高次特有の3ついきづらさの存在により、就労~生活不安定が生じ、「人間の究極の幸せ」が人生半ばにして喪失したこと。
■工夫したこと:3つのいきづらさを軽減する 1:見えづらさ⇦受動・能動的な障害認識機会の創出 2:受け入れづらさ⇦特に、茶話会や患者会や講演会等での振り返り/言語化(自分を説明できること) 3:対処しづらさ⇦自分一人で解決しようとしない。社会的支援も活用して環境調整を実施。ジョブコーチ介入が有効。
■望むこと:医療・福祉の体制作りから、社会的な解決力を活用するステージへ。
現在の医療・福祉体制では解決できないことが多く、特に社会に戻る前の体制作りはある程度整ってきたものの、社会に戻った後の体制は脆弱で整備が急がれると感じる。各々が、円滑に各スタートラインに立ち、いかに残された機能を活用し、余生のQOLを維持・マネジメントできるか?という視点が重要。加えて生活~就労復帰は、当事者からすると決してゴールではなく、スタート地点であること。そのための提言として…
~直接的支援:生活・就労復帰の具体的施策拡充~
①当事者の、円滑な生活・就労復帰体制の早期構築(ジョブコーチ早期介入)
②支援者(家族・配偶者)の、負荷軽減・支援体制の早期構築(インフォーマルケアコスト対策)
~間接的支援:多様なニーズへの自助解決力の向上~
③患者会・家族会・当事者会の更なる拡充による、多様なニーズへの支援体制の確立。特に、支援者・当事者会の促進(働きながら・ハンデを負ったうえでの活動に支援を)
~社会的処方 社会認識の醸成による支援の循環~
④高次脳機能障害者への、合理的配慮・社会共生への支援促進
⑤社会レベルでの、認知・理解促進(現在の話題性(google trend)は発達障害・認知症の1/20、支援が社会復帰で切れている可能性大)
を挙げさせていただきました。医療や福祉の体制作りは、ここ十数年で先人の方々の多大なる尽力で整ってきました。社会復帰を目指す当事者も増えてきました。
一方で、医療や福祉の枠組みでは解決できないことも多く生じてきました。
次は社会的な解決力や包括力を活用して、より良い共生を目指すステージに来たと感じます。その手段としての法整備も視野に入れて、今後向き合っていくことが重要と感じることを、プレゼンテーションさせていただきました。
ちょっと時間が過ぎてしまいましたが、同じ当事者の方のことも頭に描き、心を込めてお話しできたと思います。
この機会をいただいた、港区、東京高次脳機能障害協議会(TKK)の皆さま、国立リハビリテーションセンター今橋先生、ご来場いただいた皆様、資料作りでご協力いただいた日々コウジ中の柴本さま、杜のハーモニーさま、こちら未来の会さま、今までお世話になった医療者、行政支援の方々、データ使用許諾をいただいた熊本県高次脳機能障害支援センター様に心より御礼申し上げます。
来月は、11月11日港区芝(田町)で行われるピアサポート実践報告会(国リハ主催)に、知人(未来の会)が登壇するので行ってこようと思います。これまでもこれからも。 [日常のこと]
先日ふらっと立ち寄った上野東照宮表参道。徳川家康を祀る神社です。
受傷を機に大きく人生が変わってしまいましたが、でも何とか日々の生活をこなしているというのが正直なところです。子供たちも成長し、幼稚園生だった長男は高校生に、長女は中三に、お腹にいた次女は小4になりました。
先日、河口湖に釣りに行ったときに湖上から撮った富士山。
これまでもこれからも
ひさしぶりの更新&講演~10年目に突入しました~ [高次脳_講演・社会活動]
色々と体制を整えておりそちらに集中してました。
ここ1年間くらいの状況を簡単に綴りますね。
■就労のこと
昨年春~夏にかけて4ヶ月ほど休職しましたが、今は復職して今日もひと汗かいてきたところです。
今の会社は受傷後4社目。2015年7月より働いてますが、1.5年頑張ったのですが燃え尽きてしまい、あわせて原疾患(心筋梗塞)の状況も鑑みて休職。
「もう無理っす」と思ったのですが、すでに就労復帰して9か月が経過しました。
今までは一度休職したら同じ職場に戻ることはなかったのですが、今回は同じ職場に復帰。
そこには、就労支援の力が大きかったです。
経緯を話すと、休職中「もう無理っす」と思ったときに、ふと地元の障害者就労支援センターに立ち寄り、そのまま独立行政法人の障害者雇用支援機構(JEED)に通うことに。間髪入れずに職能評価と訓練が始まり、気づいたら数か月後に復職していました。
復職にあたり、ジョブカウンセラー、ジョブコーチ2名が職場に介入いただけることになり、また雇用先もそれを受け入れていただき、数か月間、就労定着支援と環境調整を行ってきました。
結果、今までになく負荷の少ない状態で働いてます。
なぜ復職できたのか?以下に続きます。
■講演のこと
先日、国立市の就労支援セミナーに於いて、当事者-病院リハ-行政ジョブコーチ-企業 の代表者が、各々の立場で高次脳機能障がいの就労復帰をどう進めているか?というのをお話しするセミナーがありました。私は当事者として、最初に「一般企業内への復職をこの10年間でどう進めてきたか?」ということについて40分ほどお話をさせていただきました。
そんな時に、最終的に、病院-行政ジョブコーチ-企業側で連携いただいて、職能を客観的に評価してもらい、就業環境を調整いただいた結果、安定した就労につながり始めたという内容になってます。
なかでも、ついつい見えないがゆえに各々が「正解(点の答え)」「最適解(ベストな答え)」というのを求めてしまい、その結果「ギャップ」が生じて就労が続かなかったのですが、一人で解決しようとせず、支援機関の力も借りて「納得解(お互い納得したことが答え)」を見出してマネジメントするかが重要という事を、当事者の実体験よりお話をさせていただいた次第です。
受傷程度等で異なりますのでひとえに言えませんが、当事者は病前のように器用に色々とこなせなくなることは共通です。軽度でも、複雑な仕事をしようとしたり、多くの方と同時にコミュニケーションを取ったり等、高次脳機能を使う場面が増えると、比例して障害が多くでます。
だったら社会復帰しなければいいのでは?と思うかもしれませんが、受傷程度(まだ多くの機能が残ってる)、患者背景(受傷時代、未就学児3人、住宅ローン30年、気力体力あり)、家族のこと、社会的な問題(国の赤字毎年100兆円累積1000兆円)、世の中の価値観(共生社会、働き方改革、ライフワークバランス)、8050問題などなど考えると、その人ができる範囲の中で社会参加ができれば、万人にとって喜ばしい事だと思います。
三方良しの考えですね。
そして器用に取り廻すことができない私たちの歩み方に対応することは、逆にギスギスセカセカした今の世の中を柔らかくする力をあわせ持っており、これからの社会課題(高齢化、認知症2025年問題、働き方改革、過労自殺など)の解消にもつながるとも思ってます。
超高速で走りすぎて少し疲れが出始めた社会に対し、原点回帰の機会を与える「社会のペースメーカー」として歩んでいける、ということをお伝えして話を終えさせていただきました。
この講演会、私と病院リハと行政支援担当者(ジョブカウンセラー)は、実際の私の担当者でもあり、とても緊張したのと、それゆえにとてもリアルなお話を交えながら進んでいきました。
企画開催していただいた、国立市障がい課の皆様に御礼申し上げます。
■家族のこと
だんだん3人とも大きくなってきました。長男に身長抜かされました(笑)。子の成長は早い。
先日、その長男の中学卒業式でした。ひとしきり冷たい雨が降る中での式でしたが、無事に終了しました。
私が住んでいる場所は、全国的にも合唱が盛んで、在校生・卒業生ともに合唱で送り出すという、素敵な卒業式なのですが、受傷時幼稚園生だった長男。無事に中学校を卒業でき感無量です。
中2の長女は中2病+スマホ病にかかってましたが、先日水没させてしまい、元のペースを取り戻しつつあります。
小3の次女はとても気が利くようになりました。それゆえにセンシティブな部分もあるのですが、むしろそれを活かすように周囲が環境を整えれば、これからマイペースができてくるのかなと感じます。
■私生活・趣味
先日、雪の降る中、家族で釣りに行きアジ50匹ほど釣ってきました。そして趣味のルアー釣りにも行ってきました。なんと50cm超えのニジマスをゲット。たぶん今年の運を、ここで使い切ってしまった気がしてます。
もうすぐ、受傷してから10年が経ちます。
早いんだか長いんだかいまだ良く分からない状況ですが、たぶんこれがマイペースなんでしょう。
自分探し10年目に突入です。
※スライドのリンクを修正いたしました(2018/8/17)。