41名の夢 ~未来の医療の担い手のコミットメント2022~ [大学講義]
2022年10月吉日、今年も某医療系大学リハ科作業療法専攻の3年生41名に、高次脳機能障害の就労についてリアル授業をしてきました。
やっぱりリアルはいい!!
いや、リアルがいい!!
今回で5回目。
このブログの更新が、ここ数年ほぼ大学授業の報告オンリーになってますが、今年もまさにそうなってしまいました!!
「便りの無いのは良い便り」
そう思って頂けるとありがたいです。
今年も会社の承諾を得て、公務としての登壇。
講義は、90分×2コマの計180分。
見えてくる障がい・バリアに大苦戦したこと、自分を治すのををやめたこと、周囲と協力してバリアフリーをに取り組んだこと、ピアサポートが復帰の支えとなったこと、受障後のいきがいを持つことが大切なこと等々、お伝えさせていただきました。
今年の授業は昨年からさらにさらにブラッシュアップして、学生たちが病院で働き始めたらあまり関わることのない「After 180 days.(180日後)」に重きを置いて展開。
「nothing about us without us」
「自立とは依存先を増やすこと」
こうした社会的な価値観の変革が、180日後に社会復帰をする私たちにとって追い風となり、今でも復帰の核となっていることをお伝えさせていただきました。
講義の最後には、毎年恒例の「言葉の返還式」を実施。
私が13年前リハから教えてもらった言葉を、リハの卵の皆さんに引き継ぐので、将来の患者さんに「教科書からではなく、14年かけて社会共生に結びつけた当事者の授業から教わった言葉」として伝言を依頼。
その後、Q&Aセッション、最後に「今日の話を聴いてどんなOTになりたいか?」というのを、全学生に書いてもらい発表頂きました。
使用したスライドは、昨年よりもまとめて73枚に凝縮。今年も無事に学生に授業を終えることができました。
使用したスライドは、昨年よりもまとめて73枚に凝縮。今年も無事に学生に授業を終えることができました。
高次脳機能障害のリハビリは、基本的に180日間(半年間)の回復期が主戦場となります。
その時に受けるのは、主に生活に戻るためのリハビリが主体なのですが、働く世代の場合、180日後に社会復帰するケースも多くあります。
私がそのケースでした。
ただし、180日で働けるレベルまで回復するわけでもなく、障害への認識も180日で獲得できるわけもなく、社会復帰で混乱を起こしてしまう方々が多数を占めます。現在はその縛りが緩くなり、もう少しリハビリを受ける期間が長くなったと聞いてますが、それでも社会復帰時には大きなギャップに対峙することとなるのが現状です。
私たちにとって180日後は、「卒業」ではなく「スタートライン」なのです。
単に教科書的なリハビリを実施するのと、180日後に患者さんがどんなことに対峙するのかを想像しながらリハビリを実施するのとでは、大きく異なります。その「スタートライン」に、作業療法士としてどんな気持ちで患者を送り出したいか?そんなことをみんなで考えました。
ぜひ42名のコミットメントをご覧いただければと思います(順不同。許諾済み)。
そして学生の皆さん、授業で話したことが少しでも役立ってくれれば幸いです。