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支援者の声に耳を傾けよう。 [高次脳_役立つ情報]

先日、「平成30年10月高次脳機能障害のある方のご家族への「介護負担感」に関する実態調査 報告書」が、公開されました。
支援者負担の実態が、調査結果としてまとめられています。
東京高次脳機能障害協議会(TKK)のホームページより、ダウンロードできるのでぜひご覧ください。


■調査対象:
日本高次脳機能障害友の会(旧:日本脳外傷友の会)様と同会に属する正・準会員団体、東京高次脳機能障害協議会(TKK)、東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科通院患者のご家族様

■対象:
高次脳機能障害者を介護するご家族

■有効回答数:1005例

■当事者の内訳:
性別:男性803 例 女性202 例
現在の年齢:45.7±15.4 (4-89)歳
発症時年齢:33.3±18.0 (0-85)歳
発症から現在までの経過年数:12.4±9.1 (0-60)年
原因疾患:
・脳血管障害:295 例(脳梗塞:89 例 脳出血:77 例 くも膜下出血:89 例 脳動静脈奇形:31 例 もやもや病:8 例)
・脳外傷528 例
・低酸素脳症:72 例
・脳腫瘍:46 例
・脳症、脳炎:52 例

■内容:
第一部:成人高次脳機能障害者の家族への調査研究
第二部:小児期発症の高次脳機能障害者の家族への調査研究
第三部:脳外傷後10 年以上経過した高次脳機能障害者の家族への調査研究
第四部:脳卒中に起因する高次脳機能障害者の家族への調査研究
第五部:自由意見(自由意見の内容が重複するものは割愛し、個人情報に配慮し、抜粋して掲載)

男性・脳外傷が多めだったり等、若干の偏りはあるものの、あまり大規模調査自体が無い当障害において、1000例以上の実態調査はとても参考になると思います。

その中でも特に、見ていただきたいなと思うのはP27~「第五部 自由意見」です。
私自身がもともとマーケティング調査等も職務としていたため、知っているのですが、通常アンケートの最後にある自由回答はあまり書き込まれませんが、逆に言うとここに書き込む方の言葉には、本音や心理や強い要望が書き込まれています。
心の読めるプランナーやクリエイターほど、ここをしっかり見て対象者の心を読む方が多く、私もここはないがしろにしたくなく「テキストマイニング」という手法を使って「自由意見」を可視化してみました。

一部掲載とのことで79件しか載っていませんでしたが、自由意見中の主要キーワードを抽出。5件以上あるキーワードをグラフ化してみました。
1コメントで複数回キーワードが出ても、1コメントとしてカウントしてます。

graph_s.jpg
するとそこからは、

・家族の介護負担、疲労、不安
・高次脳機能障害の理解の低さ
・支援体制の脆弱さ
・支援の強化、法制化の要望

等が読み取れます。

先日、自分の講演会でも、認知症のインフォーマルケアコスト(家族が行う無償のケアコスト)が6.2兆円/年と試算されており、患者数1/10の高次脳機能障害でも、単純計算で6200億円/年かつ永続的にかかる可能性があり、支援者対策の拡充が急務というお話しをしました。
支援者の支援があってリカバリーできる障害です。
特に、重症度の高い方の支援者負担は甚大なるものがありますし、軽度の方でも社会から理解・配慮が得られなく支援者も困惑・疲弊する事実が伝わってきます。

ぜひ、この部分に社会全体がしっかりと目を向けていただきたいと思います。

あわせて当事者自身も、支援者の声を再認することも重要だと思います。そうすることで、自分の障害が見えてくる部分も多々あります。

僕自身、支援者支援のことを書くのに10年もかかっているので、心のゆとりができるまでは難しい部分もありますが、あえてこういう機会を活用して支援者への配慮を再認するのも良いと感じました。


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ジル・ボルト・テイラー博士の『奇跡の脳』 [高次脳_役立つ情報]

知っている方も多いと思いますが、インディアナ医科大学の神経解剖学者 Jill Bolte Taylor(ジル・ボルト テイラー)博士の『奇跡の脳』 。今月末に文庫本が発売されます。僕もすでに予約しました。

タイム誌の「2008年世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた世界的に尊敬されている方です。
彼女は、37歳の時に脳梗塞を発症し、左脳がほとんど失われた状態から、8年間を経て社会復帰しました。
実は本はまだ読んでないのですが、NHKの番組を恩師がわざわざDVDに落としていただき、それを見て知りました。病気は違えども、僕も同じ37歳での発症だったので、そこから8年かけて復帰された博士を尊敬してます。

このパワフルな博士の講演の様子、ぜひご覧ください(字幕あり)。


実は病後に、中村桂子さん(NHKの“奇跡の脳”で博士の聞き手をされていた生命科学者)の講演を聞いたことがあるのですが、その時に「ジルはすごい。自分の存在意義を病気をきっかけに180度変えて、人間の世界にとけこんでいる。」みたいなことを言っていたのを覚えてます。受傷の程度は異なるのですが、8年かけてここまで力強く語りきれるジル氏は、脳障害を得た当事者からすると一つの憧れ的存在です。
僕はまだ3.5年。ジルの力強いスピーチを見ていると、障害を得ても生きていく希望と勇気が持てます。

↓NHKで紹介されていた博士が作ったステンドグラス。病前作成していたものより明らかに色使いやコントラストが派手になったとのことです。僕も全く同じで、なぜだか派手な色が好きになってしまいました。不思議ですね。
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