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「働くこと以上のリハビリがありますか?」 [高次脳_ふと感じたこと]

※あくまでも僕個人の主観・経験談であることご了承を。 

復職して半年後のこと。

猶予勤務から通常勤務となり、部署に新しい上司やスタッフも入ってきて、一気に自分も「病気が治った人」として接する機会が増えました。
増えたといっても、元々やっていた業務に少しずつ近づけようとしただけだったのですが。

相当ゆるく仕事をふってもらいましたが、何せ病前の僕の仕事ぶりのイメージがあるし、見た目普通だし、自分も就業上ここまで影響のあるものだとも思っていなかったし、どこまでできるのかわからないし。
そもそも自分がどんな自分だったかの記憶も微妙だし。

そんな感じでゆるーく元の業務にトライし始めるのですが、

できなかったりします。

あまりにもうまくいかなくて、会社に行けずに病院に直行した日もちらほら。
そして産業医に勤務形態の配慮をお願いしに行きました。
その際に、言われた言葉。

「働くこと以上のリハビリがありますか?」

しばらく何も言えなかったのですが、あれから3.5年。
転職を繰り返したりもしたけど、今でも「それ以上のリハビリはない」と感じます。


仕事は、パフォーマンス以上のことをやろうとするとストレスになってしまう一方で、プラスアルファぐらいの負荷だとリハビリにもなると感じています。
ただ高次脳機能障害の場合、受傷後の自分がどこまで機能が残っているのか自分にも相手にも見えない状況なので、お互い「プラスアルファの負荷」のかけ方がわかりません。

そこで就業上のトラブルが発生したりもします。

あながち良くあるのは、プロジェクトの数を減らしたり業務量を減らせば対応できるんじゃないかと思われること。
たしかにボリュームを減らすことも大切ですが、重要なのは、やはり苦手な業務を外してもらうことと感じます。

たぶん僕たち(私が出会った同じ所で苦戦している患者さんなど)は、日常でも仕事でも、新しいことが覚えづらい、相手の話を聞きとれない、意図の汲み取りが苦手、2層3層の同時処理が弱いなどなど、
横串で高次脳機能という機能が弱っています。

横串で横断?縦断?断絶?してますよー。

就業上、その機能を使う機会や場面が圧倒的に多くなり、共通してそこで引っかかってしまいます。
そこを外して仕事ができればいいんですが、どうしても会社に行って人と接してやり取りする以上、障害に遭遇する機会が多いです。


だから代替手段である、メモや速記や再確認やマトリックス処理や、時には笑えない状況でも「パードゥン?」と笑顔で聞きなおしたりするテクニックも復職しながら学ぶ。
病院のリハでは、メモや作業手順把握など基礎的な技術を習得しますが、実際には復職~就業上で得たものの方が圧倒的に多いです。
習得した代替機能の99%以上は、実就業上で培われたといっても過言でないかと。

そう思うと「働くこと以上のリハビリがありますか?」と問われると、やっぱり今のところないと感じます。

一方で、働くこと・復職自体も、なかなか厳しい状況の方も多くいらっしゃるかと存じます。
収入・生活面でも厳しい部分もあるかと思いますが、でも地域コミュニティやボランティアなど、それでも社会と関わっていることが大切だと感じています。


「誰かに頼られる」っていうのが、やっぱりこの障害には一番重要なことだと、日々働きながらつくづく感じます。。。


実家になっていた柿。

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桃栗三年柿八年。
何事も成し遂げるには、それ相応の時間がかかるとよんだ冬の晴天。


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